隠居歳時記

もう隠居? 否、自分流の隠居道を探求中!

中世の旅!_大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まった!

鶴岡八幡宮(鎌倉武士の守護神)
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 令和4年1月6日付け産経新聞の記事、本郷和人先生(東大史料編纂所教授)の「日本史ナナメ読み」が興味をひいた。

 鎌倉幕府御家人である梶原景時について書かれているが、前段で「~今年は何を語ろうかな。なんといっても人気なのは、やはり戦国時代幕末維新だよな~」「~やはり戦国時代に比べると、源平合戦はマイナー~」などと述べておられる。

 戦国史及び幕末維新史は日本人の最も好きな歴史の領域である。小生も同時代の書を好んで読んでいるが、併行して、かなり以前から中世史(鎌倉・室町期)にも大いなる興味を感じていた。切っ掛けはやはり本(歴史小説)であるが、永井路子氏他の作品である。

 引退後、中世がどのような時代であったか肌で感じようと、1年ぐらいの間、頻繁に鎌倉に通い、寺社墳墓古道切り通し、そして鎌倉を囲む山中を歩き回った。鎌倉はそんなに広くない地域で、1年もかければ主要な場所には、ほぼ行き尽くしてしまうのだが、歴史というものはその土地を歩かなければわからないものだと思っている。(司馬遼太郎氏の受け売り)

 少し脱線する。

 若い人は知らないかもしれないが、ある程度の年齢の方は「仁義なき戦い」をご存じであろう。事実に基づいて戦後の広島抗争を描いた血を血で洗うヤクザ映画(東映)だが、上映された頃、小生などは夢中になって見ていたものである。

 何を言わんとしてるのか?

 比較するのもどうかとは思うが、実は鎌倉三代(頼朝死去以降)の時代は、「仁義なき戦い」も真っ青の「やられたらやりかえすやられなくてもやりかえす」(何処かで見たキャッチコピーを借用: →中公新書の雑誌『面白すぎる鎌倉室町2021/12/10』でした)、一族と一族の凄惨なる抗争の歴史なのだ。しかも一族郎党、女・子供をもその対象として…。

 メジャーな観光地は別として、差し障りがあるので場所は特定しないが、今でも死者の怨霊が漂っているようで、一人で行くには怖くなるような処が鎌倉にはある(個人の感想)。

 或いは、中世がどのような世界であったかを感ずることができるような深遠な雰囲気をもった場所もある。

 話を戻して…。

 本郷先生の連載は1年間続くようである。

 三谷幸喜氏の「鎌倉殿の13人」も昨日、放送が開始された。
 第1回放送を見て、三谷氏の作品は賛否分かれるところだが、小生はどちらかというとポジティブに見るようにしているので、面白く演出されていると感じた。

 最近、一部番組を除いて、地上波を見なくなったが、せっかくNHK料金を払っているのだから今年も大河ドラマぐらいは見てみようと思っているところである。(因みに、昨年の「青天を衝け」渋沢栄一伝はなかなかおもしろかった!)

 今後ストーリーがどのように展開されていくか1年間が楽しみである。

*法華堂跡(源頼朝北条義時の墓)/頼朝供養塔/北条政子供養塔(寿福寺裏山)
*今日とは墓の概念が異なり、法華堂が当時の墓とされていたようである。頼朝と義時の法華堂跡がある。

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追記
 令和3年12月27日付けの産経新聞の文化面に、伊藤俊一氏(名城大教授)による『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(中公新書)の紹介記事が掲載されていた。書の説明書きには「荘園を知らずして日本の中世はわからない」とある。

 記事を読むと伊藤教授は「荘園が出現してから、なくなるまでが日本の中世史」と述べておられる。なるほど、単に鎌倉・室町期を中世というのではないということか。

 今、小生のKindleには未読の書籍や完読していない書籍が10冊どころか20~30冊以上も積み上がっているが、いずれ同書も購入することになるかもしれない。