隠居歳時記

もう隠居? 否、自分流の隠居道を探求中!

EOSの日_民話に残る戸塚「まさかりが淵」の森を歩く!

戸塚宇田川「まさかりが淵」

 戸塚生活もひと月を越えた。
 ここへ来てから公園・市民の森巡りはこの日で4ヶ所目である。
 4ヶ所すべてが仮住まい宅から徒歩圏内であり、戸塚は何と自然豊かなところか。

 この前訪ねた「ウィトリッヒの森」もそうだったが、そこに入り込むと山中に迷い込んだか、何処かの田舎に来たような錯覚さえ覚える。今回赴いた宇田川の中流に位置する「まさかりが淵」も同様で、広さはウィトリッヒの森の約2倍、6.3ヘクタール。やはり自然がそのまま残る緑豊かな市民の森である。

 仮住まい宅のすぐ下に、古道「かまくらみち」が通っている。
 「いざ鎌倉」の際、各地と鎌倉政庁を結んだ、いわゆる「かまくら上の道」「中の道」「下の道」の「上の道」である。
 この道を深谷町の交差点から戸塚警察署方面に少し歩いた汲沢(ぐみさわ)町を流れる宇田川沿いに「まさかりが淵」市民の森があり、その名の由来となる伝説が残っている。因みに、諸説あるようだが「かまくら下の道」は、中の道から分かれて小生宅のある神大寺(かんだいじ)、片倉(かたくら)方面へと続いている。

 伝説曰く、
 (以下「かながわのむかし話」より)

「 今から200年前のある日、彦八という若い木こりがあやまってまさかりを滝つぼに落としてしまった。滝つぼをのぞくと美しい娘が機(はた)を織っており、「あなたのまさかりが滝の魔物を退治してくれた」お礼にと三日間ごちそうになった。帰るとき「私はこの滝つぼの主。私のことを他人に言わないで。言うとあなたの命がなくなります」彦八が家にもどると三年前に死んだと思っていた家族に問い詰められ、娘の話をしてしまい、そのまま死んでしまった。 」
 というものである。

 なにやらイソップ童話の「金の斧、銀の斧」のようでもあり、「浦島太郎」や「鶴の恩返し」の物語が混ざり合っているような気もするが、長くこの地に民話として語り継がれてきたようだ。

 まさかりが淵を覗き込んでも美しいお姫様のいようはずもないが、伝説に秘めた浪漫を壊さないように、日常を離れた深い緑の中で暫し散策を楽しみながらEOSのシャッターを切り続けた。

 

まさかりが淵




彦八の供養塔(と伝わる)

まさかりが淵の森 緑の中を歩いていると、いたるところでリスに遭遇する。ウィトリッヒの森と同じく台湾リスのようだが、ここには天敵の蛇がいるようで、あちこちに「毒蛇注意」の看板があった。